「アメリカン・ドリーム」は現在進行形? 米国へ向かう歯科医師たち

2026.09.30

外国人歯科医師向けの短期集中コースも開設

BTSやSKハイニックス、ソン・フンミン選手など、世界的なトップスターや企業を輩出した韓国は、今や世界有数の先進国となったが、依然として多くの国々が「アメリカン・ドリーム」を夢見ている。 医療界もその一つだ。幼い頃に移民として渡米し、そこで成長した人もいれば、母国で医療に従事した後、移民して改めて免許を取得し、新たな章を切り開く人々もいる。

テキサス州ポーツワースにある経済専門誌『ポーツワースINC』の最近の報道によると、歯科医のユスティナ・ラスカ(48)博士もその一人だ。ポーランド出身で、両親に連れられて幼少期にアメリカへ渡った移民である。 両親が移民ビザの抽選に当選したことが、見知らぬアメリカの地へと導いたという。

紫色のTシャツを着て、歯科用器具を手にしている女性の姿。
写真=ユスティナ・ラスカ博士のインスタグラム

幼い頃、少女だったラスカは、ポーランドで偶然にも頻繁に歯科医院に通ううちに、歯科医師になる夢を抱くようになったという。当時、ラスカは乳歯に問題があり、よく歯科医院に通っていたが、その頃、患者が歯科用チェアに座っている時間をより快適なものにし、治療結果もより良いものにしたいと考えていたそうだ。

もちろん、歯科医師になる道のりは長く険しかった。 まず、両親が雑用をこなして生計を立て、子供を育てなければならなかった。メディアによると、ラスカの両親は農学と動物科学の修士号を取得し、ポーランドでは関連業務に従事していたが、ニューヨークを経てミシガンに移住してからは、最低賃金だけで工場で1日12~14時間も働いていたという。

ラスカの人生も決して平坦なものではなかった。高校時代、英語を一言も話せなかった彼は、進路相談の際に辞書で調べた「歯科医師」という単語を教師に見せ、自分の夢を伝えたこともあった。しかし、結局彼はダラスに隣接する大都市ポーツワースで、歯科医師として診療を行うまで成長した。

彼はメディアとのインタビューで、「私は歯科医師になって、患者たちにより良い人生を与えたいと思った」とし、「この進路を選んで以来、毎日患者たちの笑顔と人生を変えてきた。それ以外の選択はしなかった」と語った。 直接会ったことはないが、彼の祖父も歯科医師であり、祖父が経営していた歯科医院の看板が、現在ラスカの診療室に掲げられているという。

自国で歯科医師として勤務した後、米国の歯科大学院に再入学して歯科医師免許を取得する人も少なくない。ミズーリ大学カンザスシティ・キャンパスの歯科大学院のブログによると、同校は2024年に外国人の歯科医師を編入させた。 彼らは2025年1月から米国の歯学部教育を受け、2027年5月に卒業する。すでに免許を持っているため、2年半の短縮課程で学ぶことになる。2025年1月に始まった第1期は9名で、計380名が応募したという。 彼らは卒業後、歯科医師が不足しているミズーリ州の医療に貢献することが期待されている。郊外地域が多いミズーリ州では、111の郡で歯科医師が不足しており、ある郡では人口1万480人に対し、歯科医師が1人しかいないという。

2007年に米国に入国したインド出身のカウシャル・カパディア博士も、歯科医師の免許を持っていたものの、働くことができなかった。努力の末、米国東部を代表する名門の一つであるペンシルベニア大学歯学大学院に入学した。 その後、子供たちや社会的弱者のために移動診療所を運営する「ペン・スマイル」などのボランティア活動を経て、ペンシルベニア大学歯学部を卒業し、米国の歯科医師免許を取得した。現在、ペンシルベニア州ヨークで開業歯科医として勤務していると、WITFニュースは伝えた。

独立記念日の250周年を宣言する7月4日のポスター。自由の女神像、鷲、記念日のアイコンなどが描かれた青い背景。
テキサス州のある歯科医が投稿した独立記念日のSNS投稿

米国南部のテキサス州で勤務しているある歯科医師も、7月4日の米国独立250周年を記念して、20年前に自身が米国に入国し、歯科医師として成功するという夢を育んできた経緯について語った。 彼は、キャリアを積み、家庭を築き、自身の歯科医院を開業し、さらに地域社会のために医療を施せることに対して感謝しつつも、自分を信じて診療を受けてくれた患者一人ひとりにその感謝の気持ちを捧げた。 いつでもどこでも、患者の笑顔と幸福のために歯科医療を実践できることこそが、まさに歯科医師の幸せであり、特権ではないだろうか。

しかし、以前と比べて高騰した米国の大学授業料のため、「アメリカン・ドリーム」の実現は容易ではないという指摘もある。特に、医療従事者になるための専門大学院である歯学大学院の学費は、年間数億をはるかに超える。 2023年に米国歯科医師会のブログに掲載されたケリー・カーニー博士の記事によると、歯科医師の中には学資ローンの返済で月に4000ドルずつ支払っている人もいるという。 学生ローンの残高は25万ドルを超え、20年間かけて返済する計画だという。30歳で就職したと仮定しても、完済する頃には50歳になっている。巨額の学生ローンは、歯学部生がどこで開業するか、どの分野で専門性を磨くかなどに影響を与えると、カーニー博士は付け加えた。

同ブログは、米国歯科教育協会の統計を引用し、2021年時点で米国の歯学部生6665人が卒業したが、このうち17%のみが学生ローンを抱えていないと指摘した。 同年の歯学部卒業生の学生ローン総額は約17億ドル(約2兆2800億ウォン)に達すると指摘した。1人当たり30万ドル(約4億ウォン)に相当する。

ライター:イ・ヒョンテク
<中央日報>および<朝鮮日報>で18年間勤務した元新聞記者。現在はフリーランスのコラムニストとして活動し、人生の第二幕を構想している。メディア以外にも、JTBC放送の広報マーケティングチームや米国のエデルマン・グローバル・アドバイザリーでの勤務経験がある。

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